関節リウマチの疾患活動性の評価法は様々あります。
2019年改訂版米国リウマチ学会推奨活動性指標測定法で
Arthritis Care Res (Hoboken). 2019;71(12):1540-55.
推奨されているDAS28、SDAI、CDAI、RAPID3は
少なくとも知っておくべきです。
今回はその中でも基本となるDAS28についてです。
DAS(Disease Activity Score)は
1990年に作成された疾患活動性指標です。
Ann Rheum Dis. 1990;49(11):916-20.
疾患活動性評価候補因子の18項目から
多変量解析が行われた結果抽出された、
Ritchie Articular Index(各関節の圧痛を4段階で評価する方法)による
53関節の圧痛評価、44関節の腫脹評価、
患者全般評価、赤血球沈降速度(ESR)によって算出されます。
これからわかると思いますが、
DASが非常に煩雑です。
このため評価関節を28関節に減らし,
圧痛の評価を圧痛の有無のみとした
DAS28が1995年に作成されました。
Arthritis Rheum. 1995;38(1):44-8.
28関節中のTJC、SJC、ESR(mm/h)、
患者VASを用いて以下の式で算出します。
DAS28-ESR = 0.56×√(TJC)+0.28×√(SJC)+0.7×LN(ESR)+0.014×(VAS)
DAS28は4つの疾患活動性に分類されていて、
日常診療の中で治療効果判定の指標として非常に有用です。
DASと異なりDAS28には
中足趾節関節や足関節が評価されませんが、
薬効評価には十分であり、
多くの臨床試験でも使用されています。
DAS28では当初からESRが用いられていますが
C反応性蛋白(CRP)で代用した
DAS28-CRPも提唱されています。
ただしDAS28-CRPは計算式の特性上
DAS28-ESRより小さくなる傾向が指摘されているため、
疾患活動性のカットオフ値を
低く定義すべきとする報告がありますので注意です。
Ann Rheum Dis. 2007;66(3):407-9.
DAS28の問題点は足関節や足趾の評価が行えないこと、
計算が複雑で算出に電卓やウェブ上の計算ツールが必要であること、
DAS28で寛解基準を満たしていても
画像検査での骨変化を予測できないこと、
インターロイキン(IL-6)阻害薬やtsDMARDsを用いた場合に
急性期炎症反応が大幅に改善するため
ESRやCRP値の影響が大きい
DAS28が大幅に改善することがあること
などがあがります。
RA患者さんがきたらまずはDAS28をつけてみましょう。
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posted by いしたん at 02:42
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膠原病
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