左室 or 右室心筋の肥大と心肥大に基づく
左室拡張能低下を特徴とする疾患群と
心筋症診療ガイドライン2018年改訂版で定義されています。
肥大型心筋症には重大な合併症があり、
突然死、心不全、心房細動、Afによる脳梗塞、
この4つは知っておきたいところです。
突然死は危険因子を評価して
リスクが高ければ植え込み型除細動器などを
検討します。
突然死の主要な危険因子
心停止(心室細動)
自然発症の持続性心室頻拍
突然死の家族歴
原因不明の失神
著しい左室肥大(左室壁厚 ≥ 30 mm)
ホルター心電図による非持続性心室頻拍
運動に伴う血圧反応異常
可能性のある危険因子
拡張相肥大型心筋症
左室心尖部心室瘤
左室流出路狭窄
MRIによる広範な遅延造影像
心房細動
危険度の高い遺伝子変異
修飾可能な危険因子
激しい身体運動(競技)
冠動脈疾患
上記をいしたんは知っていますが、
AHA 2011年(J Am Coll Cardiol. 2011 Dec 13;58(25):2703-38.)や
ESC 2014年(Eur Heart J. 2014 Oct 14;35(39):2733-79.)などを
読んでみてください。
心不全は通常の心不全治療ではなく
HCMの病態に応じた治療が必要とされます。
JACC Cardiovasc Imaging. 2017 Nov;10(11):1374-1386.
JACC Heart Fail. 2018 May;6(5):353-363.
つまり以下の様な分類を行い
それに応じて治療を行います。
左室流出路圧格差が主因のもの
左室流出圧格差の関与の少ない左室駆出率が保持されたもの
左室駆出率の低下した拡張相肥大型心筋症
心房細動はHCMの30%にみられるものです。
CHA2DS2-VAScスコアでの
治療適応判断は妥当ではなく
禁忌がない限り抗凝固薬を使うとされています。
Eur J Heart Fail. 2015 Aug;17(8):837-45.
書き切れないくらい奥が深い疾患ですから、
肥大型心筋症 ガイドラインは一読してください。
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