脳全体の機能が喪失した状態で、
全脳死とも言われます。
くも膜下出血、頭部外傷などの原因で
強いダメージを受けると、
脳全体が著しく腫脹します。
その結果脳血流が完全に停止し
このため脳神経細胞が全て死滅するという
病態が考えられています。
脳死に至った後の自然経過ですが、
脳死後、自発呼吸の停止がおこり、
その後すぐ〜数週間後には心停止となります。
しかし近年レスピレーターで
呼吸が止まらないので
脳死という新しい死の概念が出てきました。
ただし人工呼吸器をつけておけば
問題なく体が生き続けるわけではありません。
まず脳からのADH産生停止による
大量の利尿がおこります。
尿崩症などにより血圧低下が起こるため
補液と昇圧剤と抗利尿ホルモン投与などがないと
循環動態の維持が難しいようです。
また脳自体の変化もおこります。
脳死後24時間以上経過すると
脳は自己融解を始めるため、
1週間以上経過すると泥状化して
脳の形態はなくなります。
脳が死んでいるため回復は望めません。
このことは有名だとは思います。
ただ脳の融解が起こることを
初めて知ったレジデントくんは
回復しないということを初めて
実感したということでした。
よろしければ応援クリックお願いします!

にほんブログ村
【卒中科の最新記事】