免疫不全症の一つです。
免疫不全症は原発性免疫不全症と
続発性免疫不全に分けられます。
さらに原発性免疫不全症は国際免疫学連合IUISの
Expert Comittee for Primary Immunodeficiencyにより
以下の様に分類されます。
複合免疫不全症
他の徴候を伴うあるいは症候群を呈する複合免疫不全症
液性免疫不全症
免疫制御不全症
食細胞の数や機能の異常
自然免疫異常
自己炎症疾患
補体欠損症
(狭義の)原発性免疫不全症
ちなみにこの分類では原発性免疫不全症には
300種類程度の疾患が含まれるそうです。
細胞性免疫と液性免疫の両方に異常をきたす
複合免疫不全症の中で
T細胞が欠損しているものが「重症」とされます。
SCIDは免疫グロブリン遺伝子再構成に関わる遺伝子や
サイトカインシグナル伝達に必須の遺伝子などの
変異が原因とされています。
例えば以下の様な疾患が考えられています。
T-B+重症複合免疫不全症
共通γ鎖(γc)欠損症
SCIDの中の約半数(最多)
IL2RG遺伝子の異常
遺伝形式:X染色体劣性遺伝
IL-2、IL-7、IL-15、IL-21などの受容体が欠損
IL-7受容体欠損でT細胞の分化が障害
IL-15受容体欠損でNK細胞の分化が起こらない
特徴:NK細胞は欠損
JAK3欠損症
遺伝形式:常染色体劣性遺伝
特徴:NK細胞は欠損
IL-7受容体α鎖欠損症
遺伝形式:常染色体劣性遺伝
特徴:NK細胞は正常
CD45欠損症
遺伝形式:常染色体劣性遺伝
特徴:γδ型T細胞は正常
CD3δ/CD3ε/CD3ζ鎖欠損症
遺伝形式:常染色体劣性遺伝
特徴:NK細胞は正常
T-B-重症複合免疫不全症
RAG1/RAG2欠損症
遺伝形式:常染色体劣性遺伝
特徴:VDJ組替え異常
DCLRE1C(Artemis)欠損症
遺伝形式:常染色体劣性遺伝
特徴:VDJ組替え異常
Cernunnos/XLF欠損症
遺伝形式:常染色体劣性遺伝
特徴:VDJ組替え異常
DNAリガーゼIV欠損症
遺伝形式:常染色体劣性遺伝
特徴:VDJ組替え異常
細網異形成症(AK2欠損症)
遺伝形式:常染色体劣性遺伝
特徴:リンパ球系細胞、骨髄系細胞の発生異常
アデノシンデアミナーゼ欠損症
※免疫グロブリン遺伝子再構成に関わるKu70/80、DNA-PKcsはマウスではSCIDになる
ヒトでは胎生致死に至っていると考えられている
※免疫グロブリン遺伝子再構成に関わるXRCC4はSCIDの原因にならない
一言で重症複合免疫不全症といっても
これだけ沢山の遺伝子変異が原因になり得ます。
まずは多様な病態がまとめられている
疾患名であることを知っておきましょう。
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