失語とは言語障害の一つで、
話そうとしても言葉がでない運動性失語と
言葉が理解できない感覚性失語があります。
先日のこと、、、
「声がなんだかでにくいんです」
そんな主訴で受診された患者さんがいらっしゃいました。
一生懸命咽頭を覗き込み研修医くんは
『うーん、多分大丈夫だと思うので
耳鼻科にいかれてはいかがでしょうか?』
という評価をして帰宅させようとしていました。
まず、大丈夫という表現は避けましょう。
それは判断だからです。
大事なことは診断をつけることです。
上記の状況なら正確には咽頭炎や扁桃炎、
急性喉頭蓋炎などはなさそうと表現すべきです。
であれば耳鼻科受診の推奨は矛盾があると思われます。
正確には診断はわかりませんと説明すべきでしょう。
おっと、脇道にそれました。。。
よくよく聞いてみると、
"突然"喋り出すのが難しくなった
という病歴でした。
突然というキーワードは
詰まった、破れたを想起させ、
脳梗塞が疑われました。
神経診察をしてみるとバレー兆候陽性でした。
結論として左前頭葉のブローカ野に一部跨がる
中心前回の脳梗塞があり、
運動性失語と診断されました。
研修医くんにとっては
失語という診断を下すことが
とても難しいと実感した症例だったようです。
脳梗塞は多彩な症状を呈しますので
診断が難しいケースもありますが、
"突然"というキーワードがあれば
鑑別に挙げておくといいでしょう。
よろしければ応援クリックお願いします!

にほんブログ村
【卒中科の最新記事】