近年注目される疾患概念です。
間質性肺炎の中の一病型で
特発性肺線維症IPFに類似した
進行性の線維化という予後不良の経過をとる病気です。
原因は何であってもよく、
画像パターンや血液検査などではなく、
表現型により分類されるものです。
具体的にはBMJ Open Respir Res. 2017 Sep 17;4(1):e000212.より
ILDの診断かつ2年間で以下のいずれかに該当
FVC% pred(予測値に対する割合)が10%以上低下
FVC% pred(予測値に対する割合)が5%以上10%未満低下で呼吸器症状の悪化あり
FVC% pred(予測値に対する割合)が5%以上10%未満低下で画像検査にて線維化の悪化あり
画像検査で線維化の増悪に相関した呼吸器症状悪化
※感染症や心不全などは除外すべし
HRCTで網状影と気管支拡張あり
蜂巣肺の有無は問わない
病変が10%を超える
と定義されています。
これはあくまで臨床試験のinclusion criteriaなので
別の診断基準があってもいいかとは思いますが、
ひとまずこれを頭に入れておきましょう。
この一群の状態にはニンテダニブが有効であり、
咳、急性増悪、FVC低下などが防げる可能性があり、
早めに患者さんを見つけてあげるのがとても重要です。
最近は病態が詳細にわかるようになって、
PF-ILDのように細かい病態からの
治療選択ができるようになってきました。
悪性腫瘍が遺伝子変異により
再分類されているのとそっくりです。
時代の進歩を感じます。
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