いまいち分からないんですよね。
研修医くんが相談にやってきました。
抗リン脂質抗体症候群(APS)で
臨床的に使われている+αのaPLの検査を列挙すると
以下のようになります。
抗カルジオリピン抗体
抗カルジオリピン・β2グリコプロテインI複合体抗体
抗β2GPI抗体
ループスアンチコアグラント
ホスファチジルセリン依存性抗プロトロンビン抗体
沢山あって確かにその関係性は理解しにくいですね。
ざっくりまとめてしまうと実は
2種類の抗体しかないと思っていいと思います。
β2GPIの第1ドメインを抗原とするもの、
プロトロンビンを抗原とするものです。
前者を検出するために抗カルジオリピン抗体とか
抗カルジオリピン・β2グリコプロテインI複合体抗体とか
抗β2GPI抗体といった検査があります。
挙げた順に感染症などによる
一過性に陽性となる症例などを
どんどん除外できるので特異性が高くなってきます。
ただし抗体の多様性があり片方でしか
検出できないこともあり今だにどちらの検査も重要です。
後者を測定するものが
ホスファチジルセリン依存性抗プロトロンビン抗体(aPS/PT)ですが、
これはまだまだ保険収載されていません。
ということでループスアンチコアグラント(LAC)が重要です。
LACはin vitroのリン脂質依存性凝固反応を
阻害する免疫グロブリンという定義です。
多様な特異性を有する抗体を包括するとされますが、
多くはαCL-β2GPI複合体抗体(つまりβ2GPIの第1ドメインを抗原とするものですね)と
ホスファチジルセリン依存性抗プロトロンビン抗体の
二つのサブタイプになります。
ということで抗カルジオリピン抗体、
抗β2GPI抗体、ループスアンチコアグラントの
3つの検査はいずれも重要ですが、
実は見ているものは2つという感じで理解すれば
スッキリと理解できるのではないかと思います。
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