ブレイクスルーとなった治療法ですが、
感染症は重要な副作用の一つとされています。
感染頻度は33.8%(16.2%が重症)で、
寄与死亡率は1.8%と非再発死亡率に寄与しています。
CART療法における感染症の状況やマネジメント等について
ASTCT (American Society for Transplantation and Cellular Therapy)から
近年提案がなされています。
Transplant Cell Ther . 2024 Oct;30(10):955-969.
感染症のリスクとして以下のようなものが報告されています。
宿主側
CAR-T療法の前治療
幹細胞移植歴
治療中の悪性腫瘍(B-ALL、MM)
CAR-ヘマトトックススコア >2、リンパ球減少症
100日以内の感染歴
ベースラインでのパフォーマンスステータス
ベースラインでの低ガンマグロブリン血症
高齢
CAR-T関連リスク要因
高用量のCAR-Tとリンパ球除去の強度
CRSの有無と重症度
免疫エフェクター細胞関連造血毒性(ICHAT)
コルチコステロイドの使用
CAR T療法後の低ガンマグロブリン血症
免疫エフェクター細胞関連血球貪食性リンパ組織球症様症候群(IEC-HS)
このためにCAR-T療法前の感染症スクリーニングとして
詳細な問診(感染症の既往、ワクチン接種歴)
身体診察
血液検査(最低限)
HIV抗体(第4世代抗原/抗体の組み合わせ)
抗HBs抗体、HBsAg、抗HBc抗体
抗HCV抗体
梅毒トレポネーマ
CMV IgG
HTLV-1 IgG
が推奨されています。
新たな症候がみられた場合は、
必要に応じて感染症専門医に相談の上、
「徹底的」に検査を行うという表現は
かなり感染症には神経を使えと言われている気がしました。
抗生物質の予防投与だったりワクチンだったり、
その他も色々と情報が載っていましたので、
CAR T細胞療法に関わるドクターには
一読することをお勧めします。
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