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2025年07月24日

卵巣過剰刺激症候群

卵巣過剰刺激症候群(Ovarian hyperstimulation syndrom、OHSS)は
生殖補助医療を受ける方で
特に注意するべき合併症です。

生殖補助医療におけるリスクとしては
ASRMガイドラインで以下が知られています。
Fertil Steril . 2016 Dec;106(7):1634-1647.

 若年者
 BMI低値
 排卵障害症例
 PCOS
 血清AMH>3.4 ng/mL
 発育卵胞数≧25個
 血清ピークE2>3500 pg/mL
 採卵数≧24個

病態としては以下のような状態が知られています。

多数の卵胞が発育
>>>
卵巣腫大
 →腹部膨満、腹痛
 →卵巣茎捻転
E2過剰分泌
 血液凝固能亢進、血管内脱水
  →血栓症(動脈血栓症、静脈血栓症)
 VEGF過剰分泌(妊娠成立などによるhCG分泌増加からVEGF過剰につながることもある)
  血管透過性の亢進
   →サードスペースへの体液のシフト(浮腫、胸水、腹水
   →腎静脈圧迫による急性腎不全
    横隔膜上によるARDS

そういう病態の結果以下のような症状が生じます。

腹部膨満感:初発症状として多い

悪心・嘔吐
呼吸苦

胸腹水
全身浮腫

乏尿

腹痛

診断、重症度の評価としては
厚生労働省の重篤副作用疾患別対応マニュアル、
卵巣過剰刺激症候群を使います。

 自覚症状
  軽症
   腹部膨満感
  中等症
   腹部膨満感、嘔気・嘔吐
  重症
   腹部膨満感、嘔気・嘔吐、腹痛、呼吸困難
 胸腹水
  軽症
   小骨盤内の腹水
  中等症
   上腹部に及ぶ腹水
  重症
   腹部緊満を伴う腹部全体の腹水、 胸水を伴う
 卵巣腫大(左右いずれかの最大径)
  軽症
   ≧6 cm
  中等症
   ≧8 cm
  重症
   ≧12 cm
 血液所見
  軽症
   血算、生化学検査が全て正常
  中等症
   血算、生化学検査が全て増悪傾向
  重症
   Ht≧45%、WBC≧15000 /mm3、TP<6 g/dL or Alb<3.5 g/dL

原因の多くは不妊治療の排卵誘発ですが、
自然発症もあります。
例えばFSH受容体変異、FSH分泌腫瘍、甲状腺機能低下症などです。

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posted by いしたん at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 産婦人科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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