ADAMTS13の活性異常・低下によって生じる救急疾患です。
ADAMTS13の機能異常により以下のような病態が生じます。
von Willebrand因子が重合体のまま切断できない
→血管内皮上に血小板凝集が生じる
→PLT・RBCの破壊、血栓症
具体的な症状としては、、、
発熱
微小血管性溶血性貧血(急激な発症)
貧血
黄疸
血小板減少
紫斑
腎障害
蛋白尿
血尿
動揺性精神障害
頭痛
意識障害
抑うつ気分
興奮状態
運動麻痺
痙攣
といったことが知られていて、
PLT低下や腎機能障害なども見られます。
TTPの原因として色々な疾患が知られています。
特発性
von Willebrand因子(vWF)切断酵素(ADAMTS13)の活性低下
ADAMTS13遺伝子変異
Upshaw-Schulman synd
日本にはP475Sが多い
続発性:ADAMTS13自己抗体陽性が多い
妊娠
感染症
E.coli O157;H7
HIV
薬物
チクロピジン
クロピドグレル
キニン
シクロスポリンA、タクロリムス
ミトマイシンA
シスプラチン
補体活性異常
ADAMTS13活性低下
悪性腫瘍
扁平上皮癌の遠隔転移
抗癌剤
臓器移植
骨髄移植
自己免疫疾患
強皮症
RA
結節性多発動脈炎
シェーグレン症候群
SLE
後天性TTP
Nat Rev Dis Primers . 2017 Apr 6;3:17020.
血栓性血小板減少性紫斑病診療ガイド2023では、
溶血性貧血と血小板減少
ADAMTS13活性<10%
インヒビター陰性
先天性TTP
FFP輸注
インヒビター陽性
後天性TTP
血漿交換、ステロイド、カプラシズマブ
リツキシマブ
ADAMTS13活性≧10%
補体因子異常
aHUS
血漿交換
抗補体C5阻害薬
基礎疾患あり、古典的TTP5徴候、その他
二次性TMA、その他のTMA
病因に応じた治療(血漿交換を含む)
志賀毒素産生大腸菌陽性
STEC-HUS
支持療法
といったフローチャートが示されており、
層別化と治療法がわかりやすいガイドラインになっています。
見逃すと大変な疾患の一つですから
よく勉強しておきましょう。
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