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2025年04月03日

血栓性血小板減少性紫斑病

血栓性血小板減少性紫斑病(Thrombotic thrombocytopenic purpura、TPP)とは
ADAMTS13の活性異常・低下によって生じる救急疾患です。

ADAMTS13の機能異常により以下のような病態が生じます。

von Willebrand因子が重合体のまま切断できない
→血管内皮上に血小板凝集が生じる
→PLT・RBCの破壊、血栓症

具体的な症状としては、、、

発熱
微小血管性溶血性貧血(急激な発症)
 貧血
 黄疸
血小板減少
 紫斑
腎障害
 蛋白尿
 血尿
動揺性精神障害
 頭痛
 意識障害
 抑うつ気分
 興奮状態
 運動麻痺
 痙攣

といったことが知られていて、
PLT低下や腎機能障害なども見られます。

TTPの原因として色々な疾患が知られています。

特発性
 von Willebrand因子(vWF)切断酵素(ADAMTS13)の活性低下
  ADAMTS13遺伝子変異
   Upshaw-Schulman synd
   日本にはP475Sが多い

続発性:ADAMTS13自己抗体陽性が多い
 妊娠
 感染症
  E.coli O157;H7
  HIV
 薬物
  チクロピジン
  クロピドグレル
  キニン
  シクロスポリンA、タクロリムス
  ミトマイシンA
  シスプラチン
 補体活性異常
 ADAMTS13活性低下
 悪性腫瘍
  扁平上皮癌の遠隔転移
 抗癌剤
 臓器移植
  骨髄移植
 自己免疫疾患
  強皮症
  RA
  結節性多発動脈炎
  シェーグレン症候群
  SLE

 後天性TTP
  Nat Rev Dis Primers . 2017 Apr 6;3:17020.

血栓性血小板減少性紫斑病診療ガイド2023では、

  溶血性貧血と血小板減少
   ADAMTS13活性<10%
    インヒビター陰性
     先天性TTP
      FFP輸注
    インヒビター陽性
     後天性TTP
      血漿交換、ステロイド、カプラシズマブ
      リツキシマブ
   ADAMTS13活性≧10%
    補体因子異常
     aHUS
      血漿交換
      抗補体C5阻害薬
    基礎疾患あり、古典的TTP5徴候、その他
     二次性TMA、その他のTMA
      病因に応じた治療(血漿交換を含む)
   志賀毒素産生大腸菌陽性
    STEC-HUS
     支持療法

といったフローチャートが示されており、
層別化と治療法がわかりやすいガイドラインになっています。

見逃すと大変な疾患の一つですから
よく勉強しておきましょう。

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posted by いしたん at 05:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 救急 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月18日

患者家族

患者家族は患者さんと一緒に
病気によって色々な影響を受けます。

例えば退院後の患者さんの生活において
ご家族は介護の担い手になるなど
医療上の非常に重要なパートナーとなります。

時に暴言を吐くようなモンスターな方もおられますが、
病気を見るときに患者家族への配慮も
忘れないようにしたいものです。

特に重症疾患を発症してICUに入室した場合の
患者家族への影響はPICS-Fとして注目されています。

患者さんのICU入室による家族の精神的負担が引き金になるのですが、
度重なる病状説明のための来院による疲労や
入院費用の工面や介護のための休職による収入の低下といった
増悪因子によって様々な精神機能障害をきたします。
Acute Med Surg . 2024 Mar 11;11(1):e939.

具体的には不安、急性ストレス障害、
PTSD、うつ、複雑性悲嘆といった症状が見られます。
Crit Care Med . 2012 Feb;40(2):618-24.

重要なのは患者がICUを退室した後も
数年に渡って持続するということです。
Crit Care Med . 2011 Feb;39(2):371-9.
N Engl J Med . 2016 May 12;374(19):1831-41.

患者家族とは良いコミュニケーションを
とっていくことが重要です。

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ラベル:患者家族 PICS-F ICU
posted by いしたん at 23:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 救急 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年01月05日

アナフィラキシー 診断基準

アナフィラキシーの診断基準が2022年に改訂されました。



アレルギー総合ガイドライン2022

1.皮膚 or 粘膜症状が急速に(数分〜数時間で)発症した場合
 全身性の蕁麻疹、掻痒、紅潮
 口唇・下・口蓋垂の腫脹など
 以下の1つ以上を伴う
  A. 気道/呼吸:重度の呼吸器症状
   呼吸困難
   呼気性喘鳴・気管支攣縮
   吸気性喘鳴
   PEF低下
   低酸素血症
   など
  B. 循環器:血圧低下 or 臓器不全に伴う症状
   筋緊張低下(虚脱)
   失神
   失禁
   など
  C. その他:重度の消化器症状(特に食物以外のアレルゲンへの曝露後)
   重度の痙攣性腹痛
   反復性嘔吐
   など

2.典型的な皮膚症状を伴わない場合
 当該患者の既知のアレルゲン or アレルゲンの可能性が極めて高いものに曝露後
 以下の1つ以上を急速に(数分〜数時間で)発症
  血圧低下
   乳幼児・小児
    年齢別の値との比較し収縮期血圧が低い
    or
    30%超の収縮期血圧低下
   成人
    収縮期血圧<90 mmHg
    or
    本人のベースライン値に比べ30%超の収縮期血圧低下
  喉頭症状
   吸気性喘鳴
   変声
   嚥下痛
   など
  気管支攣縮

World Allergy Organ J . 2011 Feb;4(2):13-37.より
変更されて見やすくなった感じですね。

アナフィラキシー 症状を知って、
疑わしい場合は必ず診断基準に照らして
評価をしてみましょう。

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posted by いしたん at 21:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 救急 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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