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2025年04月19日

糸球体腎炎

糸球体腎炎とは腎臓の糸球体が
免疫学的機序によって障害された病態のことです。

原因としては免疫複合体が関与する
以下のような疾患が知られています。

in situでの免疫複合体の形成によるもの
 糸球体に対する自己抗体によるII型アレルギー
  抗GBM病
   →糸球体基底膜の断裂を伴う糸球体壊死性病変
  特発性膜性腎症
   抗PLA2R抗体
   抗TSHD7A抗体
   →スパイク形成を伴う糸球体基底膜の肥厚
 糸球体に持ち込まれた抗原による
  溶連菌感染後糸球体腎炎
   溶連菌のSPEBが沈着することが原因
   足細胞下の巨大な免疫複合体が特徴
  ループス腎炎の膜型
   ヒストンやDNAなどが沈着することが原因

血中の免疫複合体の沈着によるもの(III型アレルギー)
 ループス腎炎(膜型以外)
  主に糸球体内皮下やメサンギウムに沈着
  内皮下の沈着は疾患活動性の指標で、ワイヤーループ病変と言われる
 HCV関連腎炎
  抗HCV-IgG抗体を抗原としたIgMが産生

ANCA関連血管炎

ウイルス、細菌や寄生虫の感染因子抗原の免疫複合体など

抗リウマチ薬→小さな免疫複合体の形成
 D-ペニシラミン
 ブシラミン

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posted by いしたん at 09:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 腎臓 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年04月30日

腎性低尿酸血症

腎性低尿酸血症(RHUC)は特に症状はないとされていますが、
日本人に多い(日本人の約0.3%)疾患で、
運動後急性腎障害(ALPE)、尿路結石といった
合併症をきたすことから注目されるようになった疾患です。

尿細管障害を認めないにも関わらず、
腎臓における尿酸排泄亢進が生じるのがRHUCの主な病態です。

腎性低尿酸血症診療ガイドライン2017(日本痛風核酸代謝学会)の診断基準は、、、

 血清尿酸値 ≦ 2.0 mg/dL
 FEUAまたは尿酸クリアランスの上昇
 他の低尿酸血症の原因を除外
 >>>
 全て該当したら診断

 参考項目
  腎性低尿酸血症の病因遺伝子の変異を認める
  運動後急性腎障害の既往あり
  腎性低尿酸血症の家族歴あり

です。

原因としては、、、

URAT1/SLC22A12
 urate transporter 1をコード
 近位尿細管の管腔側膜に発現
 尿酸の再吸収方向に働くトランスポーター
 常染色体劣性遺伝
 日本人の腎性低尿酸血症の80–90%がURAT1/SLC22A12の変異

GLUT9/SLC2A9
 glucose transporter 9をコード
 近位尿細管の血管側膜に発現
 尿酸の再吸収方向に働くトランスポーター
 常染色体劣性遺伝

が知られています。
参考になれば!

ガイドラインは一読の価値ありです。



腎性低尿酸血症診療ガイドライン

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posted by いしたん at 22:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 腎臓 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年02月10日

シベプレンリマブ

シベプレンリマブ(Sibeprenlimab)はAPRILのmAbです。
NEJMにシドニー大学などのグループから
IgA腎症に対する治験Phase 2の結果が発表されました。
N Engl J Med . 2024 Jan 4;390(1):20-31.

P
 標準治療でも病勢進行リスクが高いIgA腎症(生検で診断)成人患者155人
I
 シベプレンリマブ2、4、8 mg/kg毎月静脈内投与
C
 プラセボ
O
 主要評価項目
  尿蛋白/クレアチニン比(uPCR)のベースラインから12ヵ月時点の変化
 副次評価項目
  安全性
  腎機能の指標である推定糸球体濾過量(eGFR)の変化

結果です。
シベプレンリマブ群は、プラセボ群と比較してuPCRが有意に減少しました。
主要評価項目はシベプレンリマブ2 mg/kg群で47.2%、
4 mg/kg群で58.8%、8 mg/kg群で62.0%、プラセボ群で20.0%だった。

年間のeGFRの変化は、シベプレンリマブ2 mg/kg群で-2.7、
4 mg/kg群で+0.2、8 mg/kg群で-1.5、プラセボ群で-7.4 ml/1.73m2だった。

有害事象には特に差はなかった。これはAPRILの阻害と、ステロイド使用のバランスのためかと思われました。
治療が難しかった疾病が良くできるようになるのは非常に感慨深いですね。

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posted by いしたん at 21:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 腎臓 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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