高フェニルアラニン血症(HPA)の一つです。
フェニルアラニンをチロシンに変化させる酵素である
フェニルアラニン水酸化酵素をコードするPAH遺伝子が
欠損することが原因の疾患です。
病態としてはフェニルアラニンが代謝できないため
フェニルアラニンが有害なレベルまで蓄積することと、
チロシンが産生できないことによるメラニン合成障害があります。
後者は脳蛋白質合成低下・神経伝達物質低下、
色素欠乏になるという事です。
症状として重要なのは生後間もなくはほぼ無症状という事です。
未治療のまま血中フェニルアラニン高値が持続すると、
生後数か月〜2歳までに発達遅滞などの
神経症状を発症すると言われています。
つまり低フェニルアラニン食事療法によって
発症を予防することができるということです。
疫学的には新生児8万人に1人、
つまり毎年20人前後の発症があり、
こども家庭庁成育局母子保健課の
先天性代謝異常等検査実施状況(令和4年度)によると
昭和52〜令和4年度までで815人という少ない患者数ですが、
予防可能という点がに新生児マススクリーニングの
意義があるという感じです。
PKUを発症したら以下のような症状が見られます。
中枢神経症状
痙攣
精神発達遅滞(知的障害)
生後3–6ヶ月頃から出現→重度になる
攻撃的な行動(易怒性)
不安
注意欠如・多動症(ADHD)
うつ病
強迫性行動
精神病
自傷行為
メラニン形成異常症(色素異常症)
赤毛
色白
心臓血管系の形態異常
白内障
脳の石灰化
強皮症
PKU女性の妊娠
フェニルアラニン値を制御していない場合
流産の高リスク
知的障害の高リスク
低体重出生
発育不良
日本人ではない患者さんの場合は
新生児スクリーニングを受けていない場合もあります。
疑わしい症状を知っておくことは重要だと思います。
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