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2024年04月15日

肘内障

肘内障は5歳以下の小児に発症するよくある疾患です。

肘関節の疼痛が主訴になるのですが、
子供なのでうまく喋れず
肘を痛がるとは限らないという点が
症状としては注意点です。
観察していると腕を動かさないということも
主訴になることがあります。

幼小児で多い理由は橈骨頭が成長しきっていないことや
橈骨輪状靱帯が脆弱であることが知られています。

病態としては橈骨頭が橈骨輪状靭帯の遠位に亜脱臼し
橈骨輪状靭帯が腕頭関節間に嵌頓して痛みを生じます。

典型的な病歴は「腕を引っ張った」という
明らかな受傷機転が知られていますが、
転倒したとか寝返りとか非典型的な病歴も
少なくないことは臨床医としては重要です。

身体所見としては、、、

 腕を動かさない
  下垂位のままで肩を挙上しない
  肘を屈曲しない
  →肘関節は軽度屈曲位、前腕は回内位
 反対側の健側の手で、患側の上肢を押さえていることがある
 肘関節の腫脹なし、変形なし

検査としては、、、

骨折除外のためXRは救急でもできます。
fat pad signや骨折線があれば骨折を疑います。

慣れてくれば超音波検査での評価もやってみましょう。
輪状靱帯に連続している回外筋が
腕橈関節内に引き込まれた所見のJサインで診断です。

鑑別としては何といっても骨折です。

 上腕骨顆上骨折
 上腕骨外顆骨折
 上腕骨遠位骨端離開
 橈骨頭骨折
 橈骨頚部骨折
 モンテジア損傷(尺骨骨折+橈骨頭脱臼)

 鎖骨骨折
 橈骨遠位端骨折

治療は整復です。

 回内法
  患肢の肘関節を90度屈曲し腹側にする
  医師の母指を患肢の橈骨頭におく
  回内
   スピードと結構回すことが大事
  屈曲
   最終的には招き猫のようなポーズになる
 回外法
  患肢の肘関節を90度屈曲し腹側にする
  医師の母指を患肢の橈骨頭におく
  医師の他方の手で患肢の前腕を掴む
  医師の母指で患肢の橈骨頭を背側に抑えながら、患肢の前腕を回外させ屈曲させていく
  整復されると、橈骨頭にあてていた左親指にマウスをクリックするときのような整復感を感じる

整復されたらすぐに(15分程度で)腕を動かすようになります。
再発は5%程度見られるようですが、
後遺症はありませんので親御さんに
予後を伝えるようにしましょう。

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ラベル:肘内障 疫学 子供
posted by いしたん at 11:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 小児科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年12月06日

PFAPA症候群

PFAPA症候群は自己炎症性症候群の1つで、
以下のような症状を呈します。

発熱(periodic fever、PF)
 2-8日間の発熱が規則正しく周期性(3〜8週)に起こる
 発熱時の最高体温は40℃前後
アフタ性口内炎(aphthous stomatitis、A)(27〜57%)
咽頭炎・扁桃炎(pharyngitis、P)
 咽頭炎(60〜90%)
 扁桃炎(40%)
頸部リンパ節腫脹(cervical adenitis、PA)(53〜93%)

頭痛
腹痛
関節痛
など

※精神運動発達は正常
※皮膚所見・骨所見なし
※鼻汁・咳嗽・喀痰など感冒症状を認めない

PFAPA症候群には診断に使える
バイオマーカーはないため
様々な診断基準が提案されています。

Modified Marshallʼs criteria(J Pediatr . 1999 Jul;135(1):15-21.)
 発症年齢<5歳
 繰り返す発熱
 症状:1項目以上該当
  アフタ性口内炎
  頸部リンパ節炎
  咽頭炎
 間欠期
  完全に無症状
  通常の成長発達

Criteria set by Vanoni(Ann Rheum Dis . 2019 Aug;78(8):1025-1032.)
 発症年齢<6歳
 繰り返す発熱
  6ヶ月以上
  38.5度以上、2–7日間
  規則的に起こる発熱発作5回かつ間欠期2ヶ月以下
 症状:毎回1項目以上該当、エピソードの大部分で2項目以上
  アフタ性口内炎
  頸部リンパ節炎
  咽頭炎
 間欠期
  完全に回復
  正常な成長曲線

Eurofever/PRINTO criteria(Rheumatol Int . 2019 Jan;39(1):29-36.)
 症状:7項目以上該当
  Presence
   咽頭扁桃炎
   3–6日間のエピソード
   頸部リンパ節炎
   周期的
  Absence
   下痢
   胸痛
   皮疹
   関節炎

Criteria set for adult PFAPA by Cantarini(Pediatr Rheumatol Online J . 2018 Sep 21;16(1):60.)
 発症年齢16歳以上
 繰り返す発熱
 症状
  発赤を伴う咽頭炎及び/または頸部リンパ節炎
 間欠期
  症状なし

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posted by いしたん at 23:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 小児科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年10月29日

低ホスファターゼ症

低ホスファターゼ症(HPP、Hypophosphatasia)は
ALPL遺伝子変異が原因でおこる
遺伝性全身性代謝疾患です。

従来小児の疾患とされていましたが、
成人発症型の存在が知られるようになり、
また酵素補充療法も開発されたことから
非常に注目されている疾患です。

まずHPPは血液検査でALP 低値であることが特徴です。

病態としては全身に存在する
組織非特異型アルカリホスファターゼ(TNSALP)の
活性が低下することで
基質が代謝されずに蓄積してしまいます。
Pediatr Endocrinol Rev. 2013 Jun;10 Suppl 2:380-8.

例えば無機ピロリン酸(PPi)、
ホスホエタノールアミンなどです。

このため全身に多彩な症状を来します。
今回は症状についてまとめます。

骨格系障害
 石灰化障害
 骨格変形
  くる病様胸郭変形
  弯曲
 頭蓋骨縫合早期癒合症
 くる病様症状
  骨折
  骨痛
 低身長

歯科症状
 乳歯の早期脱落
  乳歯が早期(1-4歳)に歯根ごと下の歯から抜ける
 歯列の異常
 歯周病

筋肉/関節症状
 筋力低下
 筋緊張低下
 運動発達遅延
 疼痛
  筋肉痛
  関節痛
 歩行困難
 アヒル歩行

呼吸器:乳児の場合
 肺の低形成
 →
 呼吸機能障害
 呼吸不全

神経系
 ビタミンB6依存性けいれん
 頭蓋内圧亢進

腎臓
 高カルシウム血症
 高カルシウム尿症
 腎不全
 腎石灰化

といったものが知られています。
タイプごとには、、、

●周産期重症型、周産期良性型、乳児型
死産
呼吸不全
重度の胸郭変形
 くる病性胸郭変形
 肋骨の菲薄化
 肋骨骨折
 胸郭入り口部狭窄
重度の骨石灰化障害
骨軟骨の骨棘
くる病様症状
骨幹端の放射線透過性
骨折を伴う or 伴わない弓状変形
四肢短縮
筋緊張低下を伴う筋力低下
頭蓋内出血
ビタミンB6依存性痙攣
頭蓋骨縫合早期癒合症
頭蓋内圧亢進
難聴
発育不全
高カルシウム尿症
腎石灰化
眼石灰化
乳歯の早期脱落

●小児型

●成人型(Mol Genet Metab. 2017 Sep;122(1-2):4-17.)
非治癒性、再発性の骨折(繰り返す骨折、複数回の骨折)
 中足骨疲労骨折
 大腿骨転子下骨折
 椎体骨折
関節脱臼
慢性的な筋肉痛(筋痛)、骨痛
筋力低下
疲労
不動
変形性関節症
骨軟化症
異所性石灰化
 偽痛風、ピロリン酸カルシウム二水和物沈着による症状、結晶性関節症
 軟骨石灰化症
 腎石灰化症
 眼石灰化のリスク
永久歯の脱落
歯の変色、重度の虫歯、ブリッジの使用を含む歯列の異常、弛緩歯
乳歯の早期脱落、セメント質形成不全

●歯限局型

というところでしょうか。

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posted by いしたん at 00:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 小児科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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