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2025年06月07日

フェニルケトン尿症

フェニルケトン尿症(phenylketonuria、PKU)は
高フェニルアラニン血症(HPA)の一つです。

フェニルアラニンをチロシンに変化させる酵素である
フェニルアラニン水酸化酵素をコードするPAH遺伝子が
欠損することが原因の疾患です。

病態としてはフェニルアラニンが代謝できないため
フェニルアラニンが有害なレベルまで蓄積することと、
チロシンが産生できないことによるメラニン合成障害があります。
後者は脳蛋白質合成低下・神経伝達物質低下、
色素欠乏になるという事です。

症状として重要なのは生後間もなくはほぼ無症状という事です。

未治療のまま血中フェニルアラニン高値が持続すると、
生後数か月〜2歳までに発達遅滞などの
神経症状を発症すると言われています。

つまり低フェニルアラニン食事療法によって
発症を予防することができるということです。

疫学的には新生児8万人に1人、
つまり毎年20人前後の発症があり、
こども家庭庁成育局母子保健課の
先天性代謝異常等検査実施状況(令和4年度)によると
昭和52〜令和4年度までで815人という少ない患者数ですが、
予防可能という点がに新生児マススクリーニングの
意義があるという感じです。

PKUを発症したら以下のような症状が見られます。

中枢神経症状
 痙攣
 精神発達遅滞(知的障害)
  生後3–6ヶ月頃から出現→重度になる
 攻撃的な行動(易怒性)
 不安
 注意欠如・多動症(ADHD)
 うつ病
 強迫性行動
 精神病
 自傷行為

メラニン形成異常症(色素異常症
 赤毛
 色白

心臓血管系の形態異常

白内障

脳の石灰化

強皮症

PKU女性の妊娠
 フェニルアラニン値を制御していない場合
  流産の高リスク
  知的障害の高リスク
  低体重出生
  発育不良

日本人ではない患者さんの場合は
新生児スクリーニングを受けていない場合もあります。
疑わしい症状を知っておくことは重要だと思います。

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posted by いしたん at 19:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 小児科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年05月21日

インフォームドアセント

インフォームドアセント(Informed Assent)とは
小児の被験者からの同意を意味します。

インフォームド・アセントを理解するには、
まずは医薬品の臨床試験については
GCPが色々な点を規制をしている
ということをおさえましょう。

そしてインフォームドコンセントは
GCPの中で義務付けられています。

具体的には患者さんの人権や安全性のために、
治験に関するあらゆる角度からの説明が
十分なされ被験者が理解した上で、
自由意思によって治験への参加に同意し、
書面によってそのことを確認することとされています。

つまり判断能力を十分に備えた
16歳以上の患者を対象とした法的な制限です。

元々リスク回避の点から小児は
対象としないことが望ましいという考え方が主流でしたが、
得られるべきデータを早期に取得するため
むしろ小児も含むべきであるという
考え方に変わってきています。

ヘルシンキ宣言(2000 年版)で
インフォームドアセントが
記載されたことがその証左です。

そこで、法的規制を受けないものの、
小児被験者からの同意を受けることを
インフォームド・アセントと言います。

重要な点は保護者への十分なICは
義務であることを忘れてはいけません。

また小児にとってわかりやすい言葉で説明し、
理解が得られるように努めることも必要です。

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posted by いしたん at 22:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 小児科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年04月02日

眼皮膚白皮症

眼皮膚白皮症とはメラニン合成や
細胞内輸送に関わる機能の異常によって生じる
先天性疾患です。

原因となる遺伝子は多く報告され、
色々な病気が含有される症候群です。

共通する病態としては色素異常症からくる
皮膚、毛髪(白毛症)、眼のメラニン色素の低下・消失があります。
具体的な症状としては、、、

皮膚:色素減少
 光線過敏症
 皮膚癌
  扁平上皮癌
  基底細胞癌
毛髪:色素減少
 白髪、赤い毛髪
 白い眉毛
 白いまつ毛
目:色素減少
 視力低下
 眼振
 斜視
 羞明
 虹彩コロボーマ

といったものが見られます。

重要なのはメラニン色素が少ないことによる症候のみの非症候型と
出血傾向や免疫不全などの合併症が見られる症候型が存在することです。

非症候型
 眼皮膚白皮症1型(OCA1)
 眼皮膚白皮症2型(OCA2)
 眼皮膚白皮症3型(OCA3)
 眼皮膚白皮症4型(OCA4)
 眼皮膚白皮症5型(OCA5)
 眼皮膚白皮症6型(OCA6)
 眼皮膚白皮症7型(OCA7)
 眼皮膚白皮症8型(OCA8)

症候型
 チェディアック東症候群
 ヘルマンスキー・パドラック症候群
 グリセリ症候群
 Cross-McKusick-Breen症候群

色素異常症を疑ったらその他に何か異常がないか
検索することをお忘れなく!

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posted by いしたん at 22:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 小児科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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