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2025年04月21日

神経障害

神経障害とは病理学的には、
神経細胞体障害(Neuronopathy)、
脱髄(demyelination、myelinopathy)、
軸索変性症(axonopathy)の3つに分類して原因を追求します。


例えば神経細胞体障害としては、

消耗性色素沈着
色質融解
乏血性変化(虚血性壊死)
液化壊死・消失
空胞変性
封入体形成
疾患特異的構造体沈着もしくは物質沈着

といった病理所見が見られます。

原因としては、、、

 レビー小体病
 ピック病
 低血糖
 ビタミンB1欠乏
 ALS
 シスプラチン
 カルボプラチン
 オキサリプラチン
 塩化トリメチルスズ
 メチル水銀
 臭化メチル

などを考えて鑑別を進めましょう。


例えば脱髄では髄鞘の拡張、水腫、崩壊、髄鞘球形成などが認められます。

原因としては、、、

 ギランバレー症候群
 Isoniazid
 トリエチルスズ
 hexachlorophene(HCP)
 鉛
 テルリウム
 ビタミンB2(リボフラビン)欠乏症
 アミオダロン
 クロロキン
 タクロリムス
 ステロール生合成阻害作用の農薬

といった種類の疾患が知られています。


例えば軸索変性症ではWaller変性(ワーラー変性)や
スフェロイド(軸索膨化)などが見られます。

外傷、乳児型神経軸索ジストロフィー、
Hexachlorophene、Acrylamide、クロロキン、
hexanedione、有機リン化合物、Iminodipropio-nitrile
などが原因として挙げられます。


ニューロン(神経細胞)を頭に思い浮かべれば
すっきりと分かりやすいと思います。

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posted by いしたん at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 病理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年04月15日

病因

病因とは病気の科学的に説明できる原因のことです。
病理学が解明する目標、目的としているものであり、
医薬品開発の際に標的の設定に欠かせません。

病因は以下のように分類されます。

  由来による分類
   内因:身体にある素因
    性、年齢(神経系・内分泌系など)、遺伝的要因、免疫機能、アレルギー体質など
   外因:個体を取り巻く環境中に原因が存在
    物理的要因:機械力、放射線、電流・磁力、光線、熱、温度 など
    化学的要因:化学物質(農薬、薬物)、動物や植物毒 など
    栄養的要因(食物の過剰摂取/欠乏):糖質、タンパク質、脂質やビタミン/ミネラル、など
    感染因子:
     微生物:細菌、ウイルス、真菌、原虫 など
     大型寄生生物:蠕形動物、節足動物 など
     タンパク質様物質:プリオン

  機序による分類
   主因:病の成立に不可欠な病因
   誘因:主因の作用を増強する因子

GWASなど因果関係を捜索する研究が、
世界中で多く走っていますが、
大枠も忘れずにいたいものです。

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ラベル:病因 外因 内因
posted by いしたん at 11:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 病理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月15日

Banff分類

Banff分類は腎移植の際に必ず知っておくべき
移植腎病理診断のための国際基準です。
1993年の初版は移植腎に記載した通りですが、
その後も改訂が進んでいます。
最新版を理解するためには改訂の流れを知っておくといいでしょう。

1997年
 ABMR の概念を提唱
2001年
 Banff 分類に“antibody mediated rejection”としてはじめて追加
 MVI・PTC の C4d 染色陽性・DSA の存在により診断
 移植生検に適用された分子診断の結果をはじめて発表
2005年(Am J Transplant . 2007 Mar;7(3):518-26.)
 CANの削除
2007年
 ti score の導入
 aah score の導入
2013年
 acute/active ABMR
  PTC の C4d 染色は診断基準の必須条件から外れる
  分子診断の導入
  DSA の存在として非 HLA も組み込まれる
 chronic active ABMR
  ptcml の導入
  cg1a の導入
2015年
 遺伝子セット作成の推奨
2017年
 active ABMR
  PTC の線状の C4d 染色は DSA の代替マーカーとして使用
  ABMR と強く関連する生検組織内の遺伝子転写物の発現増加が診断基準に組み込まれる
  CA TCMR の新設
  i-IFTA score の導入
2019年(Am J Transplant . 2020 Sep;20(9):2318-2331.)
 chronic inactive ABMR の新設
 t-IFTA score の導入
 第 5 のカテゴリーとして PVN 分類を新設
 B‒HOT パネルの作成

初版からの変化として特記すべきことは、
まず拒絶反応は発症時期ではなく
発症機序による分類に変更されました。

 抗体関連型拒絶反応(antibody mediated rejection、ABMR)
 T細胞性拒絶反応(T-cell mediated rejection、TCMR)

慢性同種移植腎症も発症機序での分類になりました。

 chronic active ABMR
 CA TCMR

またそれ以外の間質線維化・尿細管萎縮は
原因をできるだけ記載することになりました。
原因不明の場合はinterstitial fibrosis and tubular atrophy(IF/TA)と
no evidence of any specific etiologyに分類されました。

さらに病変の評価指標も追加されています。

糸球体病変
 メサンギウム基質拡大(mm)

尿細管間質病変
 傍尿細管毛細血管炎(ptc)
 傍尿細管毛細血管の C4d 沈着(C4d)
 傍尿細管毛細血管基底膜多層化(ptcml)
 全間質炎症(ti)
 間質線維化・尿細管萎縮領域の炎症(i-IFTA)
 尿細管炎(t-IFTA)
 腎内ポリオーマウイルス(pvl)

血管病変
 alternative細動脈硝子化(aah)

参考になれば。

もはや初版から大分変化しているので、
新しい名前にした方が混乱しなくて済むのではないかと
素朴に思うのは内緒です。笑

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posted by いしたん at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 病理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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