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2025年03月23日

せん妄 スクリーニング

せん妄は何よりも予防が重要ですが、
次にスクリーニングによる早期発見、早期介入が重要です。

スクリーニングのためのツールは
以下のように様々発表されています。

 病棟や在宅で使う
  CAM
  DST
  SQID

 ICUで使う
  CAM-ICU
  ICDSC

 Nu-DESC
 NEECHAM

色々ありすぎて全てを記憶するのは難しいです。
いしたんは感度が高いとされるDSTと
発声できない患者でも使用可能なCAM-ICUを
使うことが多いです。

ひとまず、これ!というものを
身につけることが重要だと思います。

■DST(delirium screening tool)
現実感覚、活動性低下、興奮、気分変動、睡眠・覚醒リズム、幻覚、妄想
↓1つでも該当したら次へ
見当識障害、記憶障害
↓1つでも該当したら次へ
急性発症、症状の変動
>>>
1つでも該当したらせん妄の可能性あり

■CAM-ICU(confusion assessment method for the intensive care unit)
RASSを評価
 -4〜-5は評価不能→時間をおいて再評価
 -3〜+4はせん妄評価へ
  所見1(急性発症 or 変動性の経過):精神状態が急性に変化 or 24時間で変動→Noならせん妄なし
  所見2(注意力欠如):10個の数字を読み聞かせる→1の時に握ってもらう→ミスが3未満ならせん妄なし
  所見3(意識レベルの変化):RASSが0以外なら陽性
  所見4(無秩序な思考):エラーが2つ以上なら陽性
   石は水に浮く?
   魚は海にいる?
   1 gは2 gより重い?
   釘を打つのにハンマーを使うか?
   (指示)2本の指をあげてみせ、同じことをさせる
  >>>所見1 + 2 + 3(or 4)でせん妄と診断

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posted by いしたん at 23:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 精神科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月11日

抗飲酒欲求薬

抗飲酒欲求薬(抗渇望薬)は抗酒薬と並び
アルコール依存症の断酒のために
使用される薬剤です。

抗飲酒欲求薬には2種類あります。

アカンプロサート(アカンプロセイト)(レグテクト)と
ナルメフェン(セリンクロ)です。

アルコール依存症治療の第一選択薬である
アカンプロサートは飲酒欲求を抑制する効果がありますが、
JAMA . 2014 May 14;311(18):1889-900.
服用するだけで断酒できるものではありません。
つまり心理・社会的治療も必須だということは
とても重要な点です。

離脱症状がおさまっている時に処方します。
抗酒薬と併用可。

抗酒薬とは異なり飲酒後の不快反応はありません。

副作用としては不安,下痢,嘔吐が多いです。
自殺念慮、自殺企図既往者への投与は注意が必要です。
腎排泄性のため高度の腎機能障害へは禁忌です。

ナルメフェンはμオピオイド受容体には拮抗薬として
κオピオイド受容体には部分作動薬として作用します。
その結果、飲酒によるポジティブな感覚を低減し
非飲酒時の不快感を軽減する作用をもちます。

他の薬剤とは大きく異なりナルメフェンは
断酒ではなく飲酒量低減が治療目標となります。
Psychiatry Clin Neurosci . 2019 Nov;73(11):697-706.

飲酒1–2時間前に服用します。

副作用としては嘔気、めまい、嘔吐、
頭痛、不眠動悸、食欲低下などが高頻度でみられます。

実際には効果もありますが、
副作用による中断率も高いため、
効くか効かないかがはっきりした薬剤です。

実際上の問題としては厚労省告示のため
国立病院機構久里浜医療センターなどで
20時間のアルコール依存症臨床医等研修を受けた
医師のみが処方ができるという制度でしょうか。

参考になれば。

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posted by いしたん at 00:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 精神科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年02月15日

抗酒薬

抗酒薬とはアルコール依存症の患者の
断酒のために使われる薬です。

作用メカニズムはアルデヒド脱水素酵素を阻害し
飲酒後のアセトアルデヒド濃度を上昇させて、
飲酒後に不快反応を引き起こします。

つまりエタノールを飲んだ後に
顔面紅潮、吐き気、拍動性頭痛、嘔吐、胸痛、
眩量、発汗、口渇、目のかすみ、脱力、低血圧などの
症状が出現します。

服用の際は最終飲酒から24時間以上あけて
体内から完全にアルコールが消退して服用します。

飲酒後の死亡例など重篤な副作用のリスクがあり
劇薬指定の薬剤です。
ただしRCTではプラセボと断酒率の差がなく
JAMA . 1986 Sep 19;256(11):1449-55.
エビデンスレベルは低いです。

現在の位置付けとしては断酒への動機づけに
半年から1年程度に処方するという感じです。

日本で使用できる抗酒薬は2種類です。

シアナミド(商品名はシアナマイド)、
ジスルフィラム(シアナマイド)(商品名はノックビン)です。

シアナミドは日本でのみ発売されています。
服用15分後に血中濃度がピークに達し
半減期も短い即効性の薬剤です。

ジスルフィラムより強い効果を示すものの、
副作用の問題で基本的には避けたいものです。
例えば、皮膚炎,白血球増多症,白血球減少症、
特に長期使用で必発の慢性肝障害が問題です。
Alcohol Clin Exp Res . 1995 Oct;19(5):1307-11.

ジスルフィラムは抗酒薬の代表だと思います。

シアナミドとの違いは、、、

効果が長期間(6〜14日間)と持続すること
作用が比較的マイルドであること
 ※服用していても飲酒後の反応が生じない割合が約半分
妊婦には禁忌

が特徴です。

副作用としては、、、

 通常量(0.2 gを1日1回服用)で丘疹、肝機能障害など
 増量(0.5 g/日以上)でせん妄(ノックビン精神病)
 アルコール28 g以上の飲酒で死亡例の報告あり
 腎炎、脳障害、甲状腺機能低下、糖尿病、肝疾患、脳波異常などの症例への使用には注意が必要

に注意しましょう。
お役に立てば。

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ラベル:抗酒薬 とは 作用
posted by いしたん at 19:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 精神科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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