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2025年10月28日

三叉神経痛

三叉神経痛(Trigeminal neuralgia、TN)は
色々な原因で三叉神経領域に痛みが出る疾患です。

もう少し症状を具体的に挙げるなら、
片側性の神経痛様(刺すような、電気の走る、鋭い)の顔面痛が
訴えられた場合に疑いたい疾患です。

誘因としては以下のようなものが知られています。

 洗顔
 口を開ける
 歯磨き
 髭剃り
 喫煙
 会話
 冷たい水

また感覚障害がないこともTNの特徴です。

三叉神経痛は国際頭痛分類第3版(ICHD-3)では
以下のような項目が診断基準と定められています。

三叉神経枝の1つ以上の支配領域に生じ、三叉神経領域を越えて広がらない一側性の発作性顔面痛を繰り返す
痛みは以下のすべての特徴をもつ
 1秒〜2分間持続する
 激痛
 電気ショックのような、ズキンとするような、突き刺すような、鋭いと表現される痛み
障害されている神経支配領域への非侵害刺激によって誘発される
他に最適なICHD-3の診断がない

上記でわかるように問診が最も重要なので、
医師の頭にTNの鑑別が挙がるかどうかで
診断が遠のいてしまいます。

お役に立てば!

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posted by いしたん at 09:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 神経内科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年10月26日

封入体筋炎

封入体筋炎(Inclusion body myositis、IBM)とは
細胞質内の縁取り空胞(rimmed vacuole、RV)が
筋にみられることが特徴の筋炎です。
特発性炎症性筋疾患の一つに分類されます。

1971年に疾患概念が提唱されましたが、
疾患概念(診断基準)が確立するまでは
非常に時間がかかりました。
ただ今ではしっかりした診断基準が
提唱されています。

ヨーロッパではENMCの診断基準2011が使われます。
Neuromuscul Disord . 2013 Dec;23(12):1044-55.

必須基準
 1.発症年齢>45歳
 2.罹病期間>12か月
 3.血清CKが正常上限の15倍を超えない
臨床基準
 1.膝関節伸展筋力低下>股関節屈曲筋力低下
 2.手指屈曲筋力低下>肩関節外転筋力低下
病理学的基準
 1.筋内鞘への炎症細胞浸潤
 2.縁取り空胞
 3.筋線維内の異常蛋白(アミロイド、p62、SMI-31、TDP-43)蓄積or 電子顕微鏡での15〜18 nm のフィラメント状封入体
 4.MHCクラス1の発現亢進
>>>
分類カテゴリー
 Clinico-pathologically defined IBM
  必須基準+臨床基準1つ以上+病理学的基準の1〜3を満たす
 Clinically defined IBM
  必須基準+すべての臨床基準+病理学的基準1つ以上を満たす
 Probable IBM
  必須基準+臨床基準1つ以上+病理学的基準1つ以上を満たす

これは感度が高いということも確認されています。
Neurology . 2014 Jul 29;83(5):426-33.

日本では難病情報センターの診断基準が使われています。

筋生検の施行が必須です。

臨床的特徴
 a. 他の部位に比し大腿四頭筋又は手指屈筋(特に深指屈筋)が侵される進行性の筋力低下及び筋萎縮
 b. 筋力低下は数か月以上の経過で緩徐に進行する
  多くは発症後5年前後で日常生活に支障を来す
  数週間で歩行不能などの急性経過はとらない
 c. 発症年齢は40歳以上
 d. 安静時の血清CK値は2000 IU/Lを越えない
 参考所見
  嚥下障害あり
  針筋電図で随意収縮時の早期動員(急速動員)、線維自発電位/陽性鋭波/(複合反復放電)
の存在などの筋原性変化
  ※高振幅長持続時間多相性の神経原性を思わせる運動単位電位が高頻度にみられることに注意

筋生検所見:筋内鞘への単核球浸潤を伴い以下いずれかを認める
 a. 縁取り空胞を伴う筋線維
 b. 非壊死線維への単核球の侵入や単核球による包囲
 参考所見
  筋線維の壊死・再生
  免疫染色が可能なら非壊死線維への単核細胞浸潤は主にCD8陽性T細胞
  形態学的に正常な筋線維における MHC classI発現
  筋線維内のユビキチン陽性封入体とアミロイド沈着
  COX染色陰性の筋線維:年齢に比して高頻度
  (電子顕微鏡にて)核や細胞質における16〜20mmのフィラメント状封入体の存在

>>>

Definite:臨床的特徴のa〜d + 筋生検所見のa・bの全てが該当
Probable:臨床的特徴のa〜d + 筋生検所見のa・bのいずれか5項目が該当
Possible:臨床的特徴のa〜dのみ該当

更にさらにNT5C1a抗体(IgG、IgA、IgM)が発見されて
Ann Neurol . 2013 Mar;73(3):408-18.
今までよりもより診断しやすくなってきました。

このためIBMはさらにお目にかかる機会が増えると思います。
頭に入れておきたい疾患です。

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ラベル:封入体筋炎
posted by いしたん at 01:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 神経内科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年09月07日

偏頭痛 ジタン系

偏頭痛に対する薬は10年前とは
隔世の感があります。

ということで若手スタッフの方が
レジデントくんや研修医くんよりも
若干アップデートが遅れていることもあります。

少なくとも頭痛の診療ガイドライン2021
確認しておきましょう。

さて、ジタン系(ditan系)の薬剤とは
経口5-HT 1F受容体刺激薬です。
5-HT1B受容体への作用はありません。
ラスミジタン(Lasmiditan、商品名レイボー)が
世界初の低分子医薬品です。

5-HT 1Fは延髄の三叉神経脊髄路核に分布していて、
セロトニン1F受容体を刺激して
CGRPやグルタミン酸などの放出を抑制し、
過度な血管拡張や神経原性炎症が抑制されるという
メカニズムが想定されています。
    
また視床、大脳皮質などの受容体にも作用して
疼痛シグナル伝達が抑制されることで
片頭痛発作に対する作用を示します。
     
片頭痛治療の上での使い所としては
ラスミジタンはトリプタン製剤と異なり
5-HT 1F受容体に対して非常に高い特異性を示すため、
トリプタン製剤が禁忌の症例(以下)にも使えます。

 心筋梗塞
 虚血性心疾患
 脳血管障害
 一過性脳虚血性発作の既往
 末梢血管障害
 コントロールされていない高血圧症例

エビデンスとしては
発作発現 後4時間以内の単回投与の試験として
SAMURAI試験やSPARTAN試験があります。

まとめての報告は知っていますが、
J Headache Pain. 2019 Jul 24;20(1):84.
それぞれの試験の論文が見つけられていません。。。
いしたんの勘違いかもしれませんが、
知っていたらコメントなどお願いします。

参考になれば。

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posted by いしたん at 13:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 神経内科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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