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2025年06月10日

虫垂腫瘍

虫垂腫瘍とはどんなもんでしょうか?
何か色々と調べても分かりにくいです。

研修医くんが素朴に疑問を持ってきてくれました。

虫垂腫瘍はその名の通り虫垂に発生する腫瘍ですが、
虫垂腫瘍は大腸癌取扱規約の一部として
ガイドラインなどでは取り扱われています。

ただし虫垂悪性腫瘍は罹患率が0.12人/100万人と
稀と考えられていることもあり、
あまり分かりやすい記載にはなっていないこともあります。

またWHO分類と上記、大腸癌取扱規約では
少し分類が合っていなかったこともあり、
なかなか整理することが難しいという感覚は
無理がないかと思います。

整理はできていないと思うのですが、
分類ではなく実際の病名を並べてみました。

良性上皮性腫瘍
 腺腫
  管状腺腫
  管状絨毛腺腫
  絨毛腺腫
  鋸歯状腺腫
低異型度虫垂粘液性腫瘍(Low-Grade Appendiceal Mucinous Neoplasm、LAMN)
高異型度虫垂粘液性腫瘍(high-grade appendiceal mucinous neoplasm、HAMN)
悪性上皮性腫瘍(虫垂癌)
 腺癌
  乳頭腺癌
  管状腺癌
  低分化腺癌
  粘液癌
  印鑑細胞癌
  髄様癌
 杯細胞型カルチノイド
 カルチノイド腫瘍
 扁平上皮癌
 未分化癌
神経内分泌腫瘍
 NET
 NEC
 Mixed adenoneuroendocrine carcinoma
 EC cell, serotonin-producing NET
 杯細胞型カルチノイド
 L cell, Glucagon-like peptide-producing and PP/PYY-producing NETs
 Tubular carcinoid
転移性腫瘍

多くの種類の虫垂腫瘍病変があることがわかります。
まずは上記を確認いただいて、
その後それぞれをどうやって鑑別していくかを
学ぶという流れかと思います。

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posted by いしたん at 13:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 外科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年05月10日

抗HLA抗体

抗HLA抗体とは臓器移植において重要な検査です。

特にドナー由来のHLAに反応する
レシピエントの血液中に存在する抗HLA抗体のことを
ドナー特異的抗体(donor-specific antibodies、DSA)と言って、
抗体関連拒絶反応(antibody-mediated rejection、ABMR)を
惹起する可能性あるからです。

DSAではない抗HLA抗体を保有している場合は
抗体陰性の場合と生着達成率は変わらないとされています。

抗HLA抗体は輸血、妊娠、移植など
非自己の細胞が体内に入ること(暴露)が
原因で産生されます。
暴露が全くないのに抗HLA抗体が見られる場合は
自然抗体というウイルスや食物蛋白を免疫源として
HLA抗原とエピトープを共有する抗体との鑑別も重要です。

抗HLA抗体の検査は日本では
2018年4月1日から保険収載されました。
HLA分子をコーティングしたマイクロビーズを用いる検査です。
複数のHLA分子をコーティングした
マイクロビーズを使うスクリーニング検査では
抗HLA Class I抗体、抗HLA Class II抗体、陰性
という結果が出てきます。

一方、1つのHLA分子をコーティングした
マイクロビーズを使う抗体特異性同定検査があります。
DSAは抗体特異性同定検査で判断されます。

まずは抗HLA抗体の基本的なことを押さえてください。

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ラベル:抗HLA抗体 とは DSA
posted by いしたん at 22:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 外科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年03月15日

腹腔動脈圧迫症候群

腹腔動脈圧迫症候群(CACS)とは
食後が中心に起こる慢性的な腹部虚血症状を呈する疾患です。
具体的には腹痛、悪心、下痢、
栄養障害、腹部膨満感といった症状が見られます。

病態としては腹腔動脈根部が
慢性的に外因性の圧迫を受けます。
その結果、慢性的な臓器虚血(盗血現象:腹腔動脈系の血行変化)、
神経因性変化(腹腔神経節への慢性圧迫による疼痛)をきたします。

色々な診断基準が提案されていますが、
エコーを用いたものとして、
Scholbachの診断基準が知られています。
(J Ultrasound Med . 2006 Mar;25(3):299-305.)

 @術後の症状
 A血管雑音
 B腹腔動脈の基礎血流≧200 cm/秒(ドップラー超音波検査)
 C吸気時の血流が基礎血流から50 cm/秒以上低下

原因としては正中弓状靱帯圧迫症候群が最多で、
その他に

 腹腔動脈神経叢肥厚
 動脈硬化性変化
 線維筋性過形成
 腫瘍浸潤

といったことが知られています。

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posted by いしたん at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 外科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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